アトピーで悩まされることとして、かゆみはもちろん、色素沈着においても深く悩まされている方が多いと思います。僕も生まれつきアトピーで古くから症状が出ていたところは、色素沈着を起こしています。


一体どうすれば色素沈着を取り除くことができるのか?
それを以下で解説していきます。
アトピーが原因で現れる色素沈着
色素沈着と一口に言ってもその種類は様々。まあ、基本的には表皮の基底層にある、メラノサイトがメラニン色素を排出することでシミや黒ずみができます。
引用:http://www.shimitori-tokyo.com/medical/
ただそのメラニン色素を排出する過程が違いますので自分は何が原因で色素沈着を起こしているのかを把握する必要があります。
アトピー患者は主に炎症後色素沈着が主な原因。一般的なシミと言われる色素沈着は太陽から放出される紫外線を浴びることでおこるもの。
対して炎症後色素沈着は創傷行為などの物理的な刺激により、メラニン色素が放出されることでおこるものです。紫外線対策だけすればいいということではなく、いかに皮膚にダメージを与えないかが重要となってくるわけです。皮膚にダメージを負ってしまうと、肌のターンオーバーがスムーズにいかなくなるため、色素沈着を起こしやすくなってしまいます。
アトピーは炎症が慢性化した状態。
アトピーとシミは切っても切れない関係なのかもしれません。
色素沈着を消したいならまずは炎症から治そう
お気づきかもしれませんが色素沈着を治したいのなら、まずは炎症を治していかなければなりません。
なぜなら炎症が色素沈着の原因であり、いくら黒ずみを消す行動をしても意味がなくなってしまうからです。詳しくは話しませんが、かゆみがある時点で炎症を起こしている状態です。その箇所に痒みがある場合は黒ずみを消すことよりも、かゆみを解消させることを優先させなければなりません。
火事が起きたらまずは火を消すことに専念しますよね。それと同じでアトピーも炎症(火事)を鎮めてから色素沈着(焼け跡)の対処をするのが普通であり当たり前なことなのです。
焦っても結果が出なければ意味がありません。焦らずしっかりと症状を解消していきましょう。
ステロイドが原因で色素沈着になるのか?
さて、炎症を鎮めるうえでステロイドの右に出るものはありません。しかし、ステロイドが原因で色素沈着がひどくなったという声もよく聞きますよね?
その真相についてはどうなのでしょう。
答えとして、ステロイドが直接色素沈着を起こすようなことはないと思っています。
もともと、ステロイドを使用せずとも炎症後色素沈着は起こります。炎症を起こした箇所は、皮膚が赤くなっている状態ですが、その際中もメラニン色素は排出され表皮に蓄積されているのです。目に見えないだけで、メラニン色素は蓄積していますので炎症が治まった後はシミが出てくるというわけですね。
それが勘違いの原因になっているのでしょう。
というか、ステロイドはメラノサイトの働きも鈍化させますから、逆にステロイド使用中は肌が白くなる傾向にあります。ただし、ターンオーバーも鈍化させますので長年使用すると色素沈着が進み、メラニン色素が真皮まで到達している恐れがあります。そしてステロイドを辞めると奥に蓄積した色素沈着が浮き彫りになりシミが目立つという仕組みです。
真皮まで色素沈着が進んでしまうと、改善が難しくなってしまいますのでステロイドの使用には注意が必要です。
ステロイドの扱いに関しましてはこちらの記事が参考になるかと思います↓
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色素沈着を撃退するための2つの施策
以上、アトピーで起こる色素沈着の解説でした。では、本題へ。
色素沈着をどのようにして解消していくのか?です。先ほども言いましたが、アトピー患者は炎症が慢性化した状態にあるので色素沈着も進みやすい傾向にあります。皮膚の奥にメラニンが蓄積しやすいのでなかなか黒ずみを消すのには苦労します。
それでも適切な処置を施すことで原因の解消につながるので是非対策に力を入れていただければと思います。
ターンオーバーが絶対です
色素沈着を解消する絶対条件。
それが皮膚のターンオーバーを促すことです。
アトピー患者はステロイドを使用している方も多く、ターンオーバーが正常に機能していません。まあ、薬を使用せずともバリア機能が弱いので、もともとターンオーバーが正常ではないのですが・・


ターンオーバーを促すのにピーリングが有名ですが皮膚が弱いアトピー患者には逆効果。なのでもう、自分自身の体内機能を向上させるしか術はありません。体内機能を向上させるには、アトピー治療の要である生活習慣の改善が有効です。
詳しくはこちらの記事群に書いてますので時間があれば参考にしてみてください↓
食事、運動、睡眠。これらのキーワードが入った記事が役立つはずです。
ここでターンオーバーについて予備知識を。
通常、色素沈着はメラノサイトがメラニン色素を出すことによって起こりますが、アトピーのように長年炎症を起こすと真皮にまで色素沈着が進む可能性もあります。残念ながら真皮に落ちた色素沈着は落とすことができません。(あ、あくまでターンオーバーの話に限ります。)ターンオーバーは表皮のみで行われるためです。ただ真皮に落ちた色素沈着も、免疫細胞であるマクロファージが除去してくれます。ではマクロファージを活性化させるにはどうすればいいか?もう答えは出てますが、それが生活習慣の改善となります。体内機能はサプリや薬に頼らずとも、生活習慣の改善で十分可能です。薬なんかは体内機能を弱めてしまいますので、自分の力を信じ、日々の生活を見直してください。時間はかかりますが、マクロファージがしっかり働いてくれればシミを消すことができますのであきらめてはいけません。
ビタミンCやLシステインは色素沈着に効く?
良く色素沈着にはビタミンCやLシステインが良いと聞きますよね。最近ではハイドロキノンという成分も注目を集めています。
まあこれらは実際使ってみないと分からないというのが本音。中には改善される方もいますが改善されなかったという声もあがっています。ただし、いずれにしても、真皮に到達した色素沈着においては無意味。外用のビタミンC、ハイドロキノンは基本的に表皮までしか浸透しませんので真皮に到達した色素沈着を取り除くことはできません。
市販で売られている化粧品は基本的に表皮までしか効果を発揮できません。
化粧品と医薬品の違い
もしも真皮まで成分を到達させたい場合は医薬品の使用となります。ただし表皮の色素沈着においては効果があるかもしれませんので試してみてもいいのではないかと思います。
基本的に相乗効果を期待し、ビタミンCとLシステイン、ハイドロキノンとトレチノインの組み合わせで試すと良いそうです。またハイドロキノンは炎症が出るという声も聞くので試す際はパッチテストが必須となります。
まとめ
以上、アトピーと色素沈着についての関係性を解説させていただきました。上記の通り、色素沈着の対処についてはしっかりと炎症を治してからが有効となります。
まだアトピーの症状が出ているうちは焦る気持ちを抑え集中して治療に励んでください。
基本的に生活習慣の改善でアトピー治療、色素沈着対策になりますのでそちらを優先すればいいのではないかと思います。