

世間一般的にはアトピーに保湿は必須と言われていますよね?
まあ確かに保湿剤を使用することで乾燥を防ぎ、かゆが和らげるというのは分かるんですけど、果たしてそれがアトピーの改善になるのかは甚だ疑問なところでございます。
アトピーは炎症という症状が続いて乾燥を招いている状態。まずは炎症部分を対処しないと悪化を招く恐れもあります。
保湿するかしないかはケースバイケース
はじめに言っておきますがアトピーを改善させるうえで、保湿剤を使うか使わないかははっきりとした正解はありません。
個人的には保湿はしないほうが良いという考えですが、それは経験則で言っていることであり科学的根拠は一切ありません。調べればわかるかもしれませんが・・
なのでご自身の治療法に沿って、保湿剤を使うか使わないかを判断していただければと思います。
以下では、こういった方は保湿をしたほうがいい、保湿をしない方向で治療をするにはどうすればいいのかを解説していきます。
保湿が有効になる方というのはどんな人?注意点を添えながら説明します
健常者の場合は乾燥予防のために、保湿剤を使うことは有効だと判断します。
アトピー患者の場合はステロイド使用時は保湿剤の併用をすることで症状の改善が可能です。つまりステロイド使用者なら保湿剤は有効だと判断します。
保湿剤が有効だと判断するのは、保湿剤を使用することで症状を早く抑えることができるからです。ステロイドで炎症を食い止め、皮膚のバリア機能の補填に保湿剤が働きます。
仮に保湿剤がなければ皮膚のバリア機能が崩壊したままですから、せっかくステロイドで抑えた炎症が、またすぐにぶり返してしまうことになります。
ステロイドは諸刃の剣。ガイドラインにも短期の使用に限り使用しなければならないというような表記がしているくらいです。
それはその薬に副作用があるから。ステロイドは皮膚を薄くしてしまうのです。皮膚が薄くなる=バリア機能の低下。単純に考えて防壁が薄くなれば外部からの侵入にも弱くなるのと同じです。
なぜ皮膚が薄くなるのか?
また保湿剤を使用する時はその種類に注意が必要です。と言うのもステロイドを使用すると保湿剤の吸収率が高まるからです。
もし保湿剤に界面活性剤や防腐剤が含まれていると、それが皮膚に浸透し、炎症を起こす恐れがあります。
バリア機能が崩壊した状態での保湿剤は保存料や界面活性剤の影響を受けやすいので、できることなら無添加のものを使用していただければと思います。
おすすめはワセリンです。ワセリンはどちらかと言えば保湿効果を与えるというよりは保湿機能を保持する目的で使われるものです。
こういった保湿剤は浸透を目的としていないので肌の負担は少ないといえます。
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アトピーにワセリンは効果的?使用上の注意点とは
アトピーの方は皮膚科に通っていると思うんですけど、そこで処方されるのがステロイドでしょう。そしてそれと一緒にワセリンももらう機会が多いと思います。 炎症を防ぐ目的でステロイ ...
ただワセリンも化学物質でできていることには変わりは無いので、肌に合わない場合は使用を控えるべきです。
さてここで重要なことを言い忘れていました。アトピー患者でステロイドを使用しているのであれば保湿剤は有効だと言いましたが、ステロイドと保湿剤でアトピーを治そうとしてはだめですよ。
あくまでそれらは症状を改善させる目的で使用するのであって、アトピーを治す目的で使用するべきものではありません。根本療法ではなく対処療法のうちの一つであることを理解しておきましょう。
保湿をしないでもアトピーは改善するの?
では現在ステロイドを使用していない、あるいは保湿をしないでもアトピーを改善するにはどうすればいいのかをお答えします。
結論から言いますが、ステロイドを使っていないという方は、保湿剤も同様に使うべきではないと判断します。少なくとも炎症が治まるまでは保湿剤を使わないほうが良いと思っています。
その背景に僕たちにもともと備わっている、保湿機能が関係してきます。確かに保湿剤は保湿機能の代わりになりますが、保湿機能を向上させるわけではありません。
だから使用を辞めれば乾燥を起こしますし、アトピーの症状も悪化します。


多くの方が”この保湿剤を使えば安心だ”と思うように、肌そのものもこの保湿剤があるので”自身の肌の保湿機能を働かせるまでもない”と判断してしまうのです。
もう少し詳しく見てみましょうか。
皮膚のバリア機能を測定する上でTEWLという数値が使われているのをご存知でしょうか?
TEWLって何?
ご想像の通り、アトピー患者は皮膚のバリア機能が低下している傾向にあるのでTEWL数値も高いです。←皮膚に隙間があるということです。
健常者のTEWL値は0.3~0.5。アトピー患者はこの数値よりも高いようです。ただしステロイドを使用すれば正常な数値が反映されないとのこと。間違っても改善されたとは思わないように。ちなみにこの数値を測定する機器の価格は100万以上。たっけーー。
ちなみに汗腺から分泌される汗はTEWLの数値に影響しません。
バリア機能が正常であれば水分保持力が強いのでTEWLも低いです。そう考えるとTEWLの数値を高めないために保湿が有効なのではないかという疑問が生まれるでしょう。
確かに冬場は肌の乾燥が顕著になるように、空気の湿度が低ければTEWLの数値も高くなります。冬の乾燥から身を守るためにその時期は保湿剤がよく売られていますしね。
しかし実験上、人の皮膚のバリア機能を高める上では湿度が低ければ低いほどTEWL値は下がるという結果もでています。それは湿度が低い状態のときはバリア機能を高めようとする機能がもともと人間に備わっているから。
人間には厳しい環境下でも、順応していくという機能が備わっているのです。
しかし、保湿剤を使用することでその機能も衰えてしまいます。保湿されてるからバリア機能を高めるまでもないと、皮膚の機能が勘違いしてしまうからです。
だから冬の乾燥に順応できなくなり、TEWLも高くなってしまうわけですね。
また脱ステだけのみの患者と、脱保湿も平行して実践している方とでは後者のほうが完治の確率が高いと言う結果も出ています。
それは脱保湿を行うことで表皮細胞のステロイド産生能力が向上するからです。
ステロイドと聞くと薬をイメージしますが僕たちの体内でも作られているんですね。主に副腎より生産されるのですが表皮細胞でも産生することがわかっています。
そしてステロイド外用材を使えば使うほど、保湿剤を使えば使うほど、体内機能は衰え、ステロイドの産生ができなくなります。
ステロイドには抗炎症作用があります。
これ以上の炎症の悪化を抑えるにはステロイド外用材はとても効果がありますが、アトピーを治療するという意味では邪魔な存在となります。TEWLの実験同様、順応力が失われてしまうからですね。
だから薬や保湿剤の使用はケースバイケース。苦しいときは薬を使えばいい。苦しくても我慢ができるなら治療をすればいい。
ただし本当にアトピーを完治させたいということであれば、最終的に薬を断つ方向で治療を続けることが重要となってくるでしょう。
保湿剤だけど保湿剤ではない?今までなかった画期的に保湿剤とは?
以上アトピーに保湿剤は有効なのかそうでないかの話でした。まあ冒頭でも言った通り、正直アトピーを完治させるうえで保湿剤はいりません。
ただし症状を我慢して、胃がはち切れる程のストレスを抱えるくらいなら保湿剤を使用したほうが良いです。肌が乾燥するとかなり気持ち悪いですからね。
だからほんと、ケースバイケースです。
- 完治を目指すなら保湿剤を減らしていく
- 悪化して死にそうって方は保湿剤を使用する
幼少期から保湿剤を使用し続けていた方は皮膚のバリア機能が未熟のまま歳を重ねています。だから脱保湿をしたとしても皮膚バリアをちゃんと形成できるか分かりません。
つまり脱保湿をしてもあまり効果が見込めませんので、努力が水の泡になってしまうかもしれません。それなら初めから保湿をして、炎症を抑えることに努めたほうが結果は出ると思います。
ただ、あきらめるのはまだ早いですよ。今の科学技術は相当高いので将来的に解決策が見つかるかもしれません。いや、実はもうその問題を解決できるのかもしれません。
整菌スキンケアを使えば・・まあそれが嘘か本当になるかは試してみないと分かりません。管理人は使ってみてこれならイケる!って思いましたけどね・・
今までの保湿剤は不足しているコラーゲンやセラミドを補うものが多かったのですが、整菌スキンケアは肌に生息する常在菌バランスを整えバリア機能を回復させる目的で作られています。
常在菌バランスを整えることってすごく大切ですよ。なんせ肌の機能そのものに作用することですからね。詳しくは以下の記事を参照ください。色々保湿剤を使ってみたはいいけど、あまり効果が出なかったという方も期待できるアイテムなので一度試してみると良いですよ。