アトピーの方は皮膚科に通っていると思うんですけど、そこで処方されるのがステロイドでしょう。そしてそれと一緒にワセリンももらう機会が多いと思います。
炎症を防ぐ目的でステロイドを。乾燥から身を守るためにワセリンが出されます。
ただワセリンの原料が石油からできているという事実を知ると少し敬遠してしまうかもしれませんね。
石油からできている・・果たしてワセリンは本当に安全に使用できるのか?
そんな疑問も思い浮かぶことでしょう。というわけで、今回はその真相を記事にしていきます。
ワセリンの原料は石油です
先ほども記述したようにワセリンは石油から作られています。
石油と聞くとあまりよいイメージがわかないかもしれません。しかしよくよく調べてみると、そこから不純物を取り除いたものがワセリンになるので、比較的安全に使用することができます。
海水から塩を抜いた真水のようなイメージです。
以前は黄色ワセリンが普及しており、不純物が若干混ざっていましたが現在は科学技術の進歩により、精製度の高いワセリンが使用されています。
精製度が高いと白色になり白色ワセリンと呼ばれています。現在はただワセリンという表記だけでもこの白色ワセリンのことを示しますので安全性は高いと言えるでしょう。
また、さらに精製度が上がるとプロペト→サンホワイトと分別されます。
サンホワイトになると少し値段が高くなります。大体100gで1000円くらいかな・・・
もしも白色ワセリンを使用してみて、赤みがでるのでしたら、それはワセリンの不純物に反応していることを示しますので、そういった場合は少々値段は高くてもサンホワイトを使ってみてください。
ワセリンってどんな効果があるの?
ではそれを使うとして一体どれほどの効果が得られるのか。そういった疑問が思い浮かぶかもしれませんが、実はワセリン自体に効果と言うものはありません。
効果というよりは皮膚にふたをして水分の蒸発を防ぐ役割があるといったほうが正しいです。
以下の文章は例えです。
茶碗にご飯を盛り付け放置すると、中のご飯はカピカピになってしまいます。ただそこにサランラップをすればご飯の水分が逃げませんのでホカホカの状態を維持できます。
ワセリンもサランラップのようなもので、皮膚の水分の蒸発を防ぐことができるのです。
さらに近いものでいうと皮脂膜の役割を果たしています。
皮脂膜とは?
分類上、ワセリンは保湿剤に分類されますが、上述したように直接肌に潤いを与えるようなものではありません。つまり肌の乾燥は防ぐことができても、肌自体を潤すことはできないということです。
しかしこれがワセリンの良いところ。通常の保湿剤は肌に潤いを与える美容成分が配合されていますが、その効果を発揮させるためには保存料や界面活性剤を使用しなければなりません。
保存料や界面活性剤は皮膚のバリア機能に大きな負担をかけるのでアトピーの方は保湿剤を使用するメリットより、デメリットのほうが大きい可能性があります。
その点、ワセリンは肌に浸透することはありませんので、副作用の心配がいらず、安全に使用することが可能です。
また皮膚のバリア機能の役割を担うので外部からの攻撃(アレルゲン)を防ぐことができます。肌の刺激になるような成分が排除されていることもあり、皮膚の保護剤としてはとても優秀だと思います。
それこそ、防腐剤、界面活性剤が含まれている化粧品を使うくらいならワセリンを使うことを僕はお勧めします。
ただし、アトピーを治す作用はありませんのでそこは履き違えないこと。根本療法があってこそ、こういったアイテムを活かすことができます。
逆に言えば根本療法ができていない場合は何の意味のないものなってしまいますのでそれだけは回避していただければと思います。
ワセリンを使う際の2つ注意点
ではワセリンを使用する際の注意点をあげます。
乾燥した肌にワセリンをつけても効果はない
上述した通りワセリンは、肌に効果をもたらすというよりは、水分の蒸発を防ぐふたの役目をするものです。
なので乾燥した肌につけてはあまり意味がありません。外部からの攻撃を防ぐ目的としては有効ですが、できることなら水分が保持された状態でワセリンを使用することが正しい使い方となります。
なのでお風呂上り、化粧水などで保湿したうえで使用することが好ましいです。
しっかりと保湿した上でワセリンを使うようにしましょう。
*化粧水は防腐剤、香料、界面活性剤が含まれているものが多いです。できればそういった化粧品は使用せず無添加のものを使ってください。
過酸化脂質を作らないための心がけをしよう
それともうひとつ。
ワセリンは油性なので油やけに注意しなければなりません。主に太陽による紫外線の影響で油やけはおきます。油やけした状態でワセリンを塗ると、しみ、しわ、発疹などの症状が現れることがあります。
油やけを起こすと、油性分が過酸化脂質に変化し、肌にダメージを与えるという仕組み。この過酸化脂質はアトピーを悪化させる原因の一つでその影響力はほかの悪化原因よりも大きいです。
夏など紫外線の多い時期、日中はワセリンの使用を控えたほうがよさそうです。
もしも使用する場合は肌を隠すこと。もしくは外出前はお風呂で洗い流し別の保湿剤の使用を推奨します。
またワセリンは成分上、水だけでは洗い流すことができません。ワセリンが肌から落ちず、長時間留まることでも過酸化脂質に変化しますので入浴の際は洗剤の使用をおすすめします。
*洗剤を使うのは当たり前かもしれませんが水だけで大抵の汚れは落とすことができます。実際、ワセリンを使用しない方にはなるべく洗剤を使用せず入浴することを当ブログでは推奨しています。
肌本来の力を得るために
以上ワセリンは使い方さえ間違わなければ、比較的、肌の刺激になりにくいものなので安全と判断します。
ドラッグストアなどでも売れているので足を運んでみてもよいかもしれませんね。
ただ上記で説明したとおり、使用上の注意点は守って使用すること。
- 保湿をしてから使う
- 油やけに注意する
またワセリンは皮膚の保護をするに当たっては優秀ですが、アトピーそのものを改善させるものではありません。
皮膚を健やかにするために、生活習慣の改善、効果のある化粧品の使用をしなければなりません。それを念頭において使っていただければと思います。
話は変わりますが下記ではワセリンのように水分の防止を目的でもなければ、保湿剤のように肌に潤いを与える目的でもない”アイテム”を紹介しています。
言うなれば皮膚のバリア機能を正常化することのできるアイテムと言ってもよいでしょう。皮膚のバリア機能が正常になれば肌本来の潤いを手に入れることができます。
肌本来の潤いって何だろう。今は分からないかもしれませんが答えは記事中に記しています。そう、その答えと言うのが強固な皮脂膜を形成することにあります。
今まではただ単に悪化を防ぐものだったり、乾燥を防ぐものだったりと、症状を食い止めるアイテムを使用してきたはずです。では肌本来の力を引き出す道具を使えばどうなるか?
当然肌自体が強くなるのでアトピーも改善されるというのが想像できるでしょう。
今までの化粧品とどう違うのかは下記の記事を参考にしてください。使えばきっと分かります。それこそ、先の見えないアトピー治療にすっと光が差し込むようなそんなイメージ。
どう判断されるかはあなたの自由です。