

今回はアトピーにオロナインを使ってはいけない理由と、もし使用するならどんな状態である時か?
その両方のお話をさせていただきます。
またオロナインのほかに、何を使用すればいいのかを後半で説明してますので、そちらも合わせて見ていただければと思います。
なぜオロナインがアトピーの方に使われるのか?
僕はアトピーを改善させるうえでオロナインは使ったことがありません。
そもそもなぜオロナインが使われるようになったのか?この記事を書くまでは意識すらしていませんでした。
調べてみるとオロナインの効能に傷口の止血と雑菌の繁殖を抑える働きがあるとのことで、それがアトピーの改善につながるわけですね。
ではなぜ僕がオロナインは使わないほうが良いと言っているのか?それを下記で説明します。
アトピーにオロナインは使わない方がいい2つの理由
では早速オロナインを使わないほうがいい理由について解説したいと思います。まあこの説明に関しては単純明快です。
1.公式サイトが湿疹には使わないでって言ってるから
まず一つ目。それは公式サイトがそう言っているから!
「湿疹、化粧下、かぶれには使用しないでください。」
そう書いてあります。
アトピーは湿疹が慢性化した状態なのでオロナインを使用すると悪化する恐れがあるのです。
ではなぜ悪化する恐れがあるのでしょう?
それはオロナインに含まれる界面活性剤が皮膚の免疫と反応し、炎症を起こす可能性があるからです。ちなみにオロナイン皮膚症といわれる症状があるようですがこれは別の話。
陽イオン界面活性剤であるベンザルコニウム塩化物の副作用により皮膚の症状が悪化するという論文がありますが現在のオロナイン軟膏にはそれが含まれていません。
ただ浸透性を高めるためにラウロマクロゴールなどの界面活性剤は入っているため、それが炎症の原因になることはあります。
とくにアトピーの場合はこういった化学物質が炎症反応を起こしやすい分、使用のリスクが高くなってしまうんですね。
まあオロナインに限った話ではなく化粧品全てにそのことが言えますね・・別に使用するのが悪いのではありません。化粧品を使う際はメリットとデメリットどちらが大きいかを考えて使用するべきだと言いたいわけです。
2.皮膚の常在菌バランスを崩してしまう
そしてもう一つ。界面活性剤以外にオロナインにはクロルヘキシジングルコン酸塩液が含まれています。
これが本剤の有効成分になるわけですが、この成分は消毒殺菌効果があり皮膚の感染症の予防に大きな力を発揮します。
実は皮膚のバリア機能と言うものは皮膚の常在菌が大きく関係しているのをご存知でしょうか?
僕たちの皮膚には皮膚常在菌なるものが生息し、それらが機能することでバリア機能を高めてくれる働きがあります。
表皮ブドウ球菌、アクネ菌、黄色ブドウ球菌。
色々な菌がそれぞれのバランスを保ちながら細菌藁を作り、外部の敵から身を守っているのです。しかし保湿剤に含まれる防腐剤やオロナインに含まれるクロルヘキシジンングルコン酸塩液などの消毒成分はそれら全てを殺してしまいます。
消毒液を塗った直後は薬効により細菌の攻撃から身を守ることができますが、それを使用していないときは全くの無防備の状態です。
当然そうなれば皮膚常在菌以外の菌が皮膚を攻撃し、炎症を生む結果となってしまいます。またダニや花粉などとアレルギー反応を起こし炎症を起こすことだってあります。
仮に皮膚の常在菌のバランスが均衡に保たれていれば菌は皮脂を餌にグリセリンと脂肪酸を排泄し強力なバリアを作ることができます。
つまりダニや花粉からの刺激にも強くなるということです。
以上のことから、わざわざ皮膚の菌バランスを崩壊させてまでオロナインを使う必要はないのかなと思った次第です。
オロナインが有効になる場合ももちろんある
皮膚の炎症を悪化させる恐れのあるオロナインですがそれでも使用すれば良くなるケースもあります。
例えば炎症がひどくなり感染症にまで発展したケース。
分かりやすく言うと傷口から汁が滲出している状態のことを言うのですが、ここまで重症化するのは皮膚常在菌の黄色ブドウ球菌が原因となっています。
菌バランスの崩壊、乾燥、皮脂分泌量の少ないアトピー患者は黄色ブドウ球菌の比率がもともと高く、皮膚の炎症が悪化しやすい傾向にあります。
オロナインに含まれるクロルヘキシジングルコル酸塩液は黄色ブドウ球菌に対しても効果があるので、もしも汁がダダ漏れ状態であるならそれを使用してみてもいいかもしれません。
このような場合に限りデメリットよりメリットのほうが上回りますからね。
イソジン療法が手っ取り早い
滲出液が出ている時は黄色ブドウ球菌が繁殖しているので軟膏だけで対処するのは効率が悪いです。そこで消毒を目的にするのであればイソジン療法のほうが手っ取り早くてコスパがいいです。*うがい薬ではなくてイソジン傷薬用を使うこと。
やり方は簡単。体を洗った後、原液を患部に塗布し1分ほど待ちます。そのあと十分にシャワーで洗い流せばOK。
”接触性皮膚炎を起こさないため”+”菌の排出する毒素を取り除くため”にもシャワーでしっかり”洗い流す”ことが大切です。またアレルギー反応を示す可能性もあるので使用の前はパッチテストをしてください。
ただ上述したようにイソジンやオロナインは表皮ブドウ球菌などの善玉菌まで殺してしまうので滲出液が治まれば使用は直ちに控えること。
その後、患部にガーゼを当て細菌繁殖を抑えるなどの対策をしておくことが必要です。
本来、皮膚常在菌は共存関係であることを忘れてはいけない
何度も言いますが皮膚の常在菌である黄色ブドウ球菌が繁殖してしまうとアトピーは悪化します。
そのことは論文でも証明されたことなのでまず間違いのない事実です。
その対策にイソジンやオロナインのような消毒液を用いるのがベストだという方もいらっしゃいます。しかしそれを使用すれば善玉菌である表皮ブドウ球菌までも殺してしまうということも上記のお話で分かったと思います。
黄色ブドウ球菌を含め、本来それらの菌は共存関係に当たります。
一番は黄色ブドウ球菌だけを減らすことがベストなのですがそれがなかなか難しいんですよね。もともと乾燥が激しいアトピー患者の皮膚は黄色ブドウ球菌が好む環境です。
乾燥を防ぐために保湿剤の使用も考えられますが、防腐剤が含まれているので菌バランスを崩壊させてしまいます。
*保湿剤にはうるおい成分など菌の好む成分ばかりです。つまりその成分だけの構成では菌が繁殖し腐ってしまいます。それを防止するために加えられるのが防腐剤であり、殺菌剤だと言い換えることができます。
保湿剤では保湿はできても菌バランスは整えられない。
そこで僕が目に付けたのが表皮ブドウ球菌を増やす化粧品を使うことです。
この菌を増やすことができれば結果的に菌のバランス是正となり(菌は互いに牽制する性質があるため)黄色ブドウ球菌の繁殖も抑えることができます。
- オロナインのように刺激が強くない
- 黄色ブドウ球菌による悪化を防げる
- 使うたびに皮膚が丈夫になる
上記のことを期待できますのでオロナインを使おうと思っていた方は一度このアイテムの利用も視野に入れてみてはいかがでしょうか?
黄色ブドウ球菌が原因で症状が悪化していた方(汁や膿がでる)なんかは比較的効果を実感できるのではないかと思います。
詳しくは以下の記事をご参照ください↓