

アトピーが顔にだけできてしまう。”だけ”とはいっても一番症状が出てほしくないところが顔だと思います。
何とか治したいと思っていてもなかなか治りにくいところでもありますね。管理人は今は顔に症状は出ていませんが症状が出ていた時期は本当に外に一歩も出たくないくらい塞ぎ込んでいました。
あの化け物を見るような冷たい目線。あれほど不快なものは無い。
ただあることを心がけることで、今は顔に症状はでなくなりました。今回は自分の経験より、顔の症状を治すための3つ施策をご紹介したいと思います。
- 顔が痒くて辛い
- メイクしようと思ってもできない
- 顔が赤くなって人と会うのが嫌だ
- どうやって顔のアトピーを治していいか分からない
上記に該当するものが一つでもあるのなら、以下ののことを心掛ければ顔のアトピーで悩まされることがなくなるでしょう。
なお、顔のアトピーにはワセリンやセラミドが良いと言われていますがそれらを試しても効果があるとは限りません。その理由も解説していきますのでそれらを試しても効果が無かったという方は参考にしていただければと思います。
顔にアトピーができやすくなる2つの要因
初めになぜ顔にだけアトピーの症状が現れるのかを説明します。
要因を知っておくことで今後の対策がしやすくなりますからね。
ちなみに以下で説明する内容はアトピーそのものの原因ではなく顔にアトピーができる要因となります。
原因と要因を混同してしまうと今後間違った対処をしてしまう恐れがありますのでご注意ください。
顔の皮膚は薄く外部の影響を受けやすい
まず一つ目の要因。
それは顔の皮膚の厚さにあります。ほかの記事でも書いていることですが、皮膚の厚さはバリア機能の強度と比例しています。
皮膚が厚ければそれだけバリア機能も高く、薄ければそれだけバリア機能も低くなります。
顔という部分は皮膚の厚さが薄い箇所になるので、その分外部の刺激や影響に作用されやすくなるわけです。
引用:http://mist-shower.san-ei-web.co.jp/product.html
ステロイド薬の吸収率を見れば分かりやすいですかね。
引用:http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2015/07/0714.html
身体の部位によって吸収率が変わるということは皮膚の厚みもそれぞれ異なるということです。
また顔部分は面積も広く、色々な刺激(化粧品、洗顔料、シャンプー、紫外線、ほこり)を受けやすいので余計にアトピーが出やすくなります。
アトピーの方に限らず健常者であってもニキビや肌荒れが起きやすいのはこのためです。
一方僕のように、全身にアトピーがある方は皮膚のバリアが厚い部分でも症状が現れることを意味するのでアレルゲンの反応率が高いと言えます。
つまりアトピーが顔だけの方は悪化要因が少なく、全身にできる方は悪化要因が多いと言い換えることができます。
逆に考えれば悪化要因が少なければそれだけアトピーは治りやすいことを意味するのでしっかりと対処を施せば治すことが可能だということ。
なので諦めずに治療を施すことが大切です。
皮膚の健康は菌がカギを握る!間違った対処で菌バランスを乱していませんか?
もう一つ考えられるのが間違った洗顔法や保湿法です。
やはり顔に症状は出したくないものですから、今まで色々と対策をされる方が多いかと思います。
例えば一日に何度も洗顔したり、防腐剤や無添加の入っている保湿剤を使ったり・・。
正しい対処だと思い込んでいるだけで、実はその対処がかえって状況を悪くさせてしまい、正しい対処も無意味になっていることも十分に考えられます。
ではどんな対処が正しくて、何が皮膚に悪影響を与えているのか?
それを判断する材料が菌バランスとなります。
”顔”と”菌”というワードで思いつくのがアクネ菌でしょうか・・
毛穴に皮脂が詰まることでそれを餌にアクネ菌が大量発生。その菌の出す毒素によってニキビなどの炎症を引き起こすと言われていますね。
では顔のアトピーと菌の関係は?
もちろんアクネ菌も悪化の原因になりますが、顔を何度も洗ったり、やみくもに保湿剤をべたべた塗っていると表皮ブドウ球菌と呼ばれる菌が減少し症状の悪化につながります。
表皮ブドウ球菌とは肌に潤いを与えるグリセリン物質を分泌するほか、菌バランスを整える抗菌ぺプチドを産生する常在菌の一種です。
肌の健康状態を維持するためにはこの菌が必要不可欠で、それを間違った対処で減らしているものだから一向に改善されないわけです。
さらにその菌が減ることで逆に炎症を促進させる黄色ブドウ球菌が増殖してしまうことも悪化要因の一つ。
アトピー患者は皮脂の分泌量がもともと少ない(表皮ブドウ球菌は皮脂を餌にする)ことから、いかに正しいスキンケアを心がけるかが重要となります。
正しい対処法は後程具体的に説明しますが、菌バランスが皮膚の健康状態を左右させる点を見れば何となく、どんな対処が正しくて何が間違っているのか大体想像はつくかと思います。
セラミドやワセリンでアトピーが改善されない理由
ここでセラミドやワセリンでアトピーが改善されない理由について説明します。
もちろんこれらを使用することで改善される方もいます。しかし一向に改善されない方がいるのも事実。
その違いは一体どこにあるのかを考えてみたいと思います。
まずセラミドとワセリンがもたらす働きについて。
上記の図を見れば分かる通り、セラミドは角質層の細胞間にある細胞間脂質の一つ。
この成分が一定に保たれることで細胞同士の隙間を埋め、水分の蒸発を防いでくれます。
似たような働きで角質層の外側、つまり肌表面に皮脂膜というのがあり、水分の蒸発を防ぐ働きがあります。(セラミドの流出も防ぐ働きがあります。)
この機能がバリアの役割を果たし肌の健康状態を左右させます。
しかしアトピー患者はこの2つの機能が不足している傾向にあるため、乾燥肌の原因となりアトピーの症状が現れやすくなります。
そこで皮脂膜に代わりにワセリン、細胞間脂質を補うためにセラミド化粧品が使われるわけです。
顔だけに限って言えばそれらを使うことで改善される可能性は非常に高いです。
それでも改善が見込めないという場合はどちらかの補填ができていない。あるいは常在菌のバランスの崩壊、外敵の影響(ほこりやダニなど)が対処の成果よりも上回っていることが考えられます。
ほかにも色々考えられますが上記の補填が同時にできていれば改善される見込みは高いでしょう。
それでも改善されなかったという場合はワセリン、セラミドの種類が肌に合っていない(一般的にヒト型セラミドが良いと言われています)、もしくはほかに炎症要因があるかのどちらかでしょう。
自分の肌に合う合わないかの判断は実際に使ってみないとわかりませんが、使用後ヒリヒリするようだったり、一日経って赤みやかゆみが出る場合は自分の肌に合っていないことを意味するので使用をやめて切り替えるべきです。
前者で言えば自分に合ったセラミドを選べば良いだけですが、後者の場合は原因の特定が難しく対処するには試行錯誤が必要となります。(それについてはTOPページでアトピーの根本治療を記事にまとめていますので興味のある方は一度参考にしていただければと思います。)
いずれにせよ、以下の対処とともにバリア機能の補填となるワセリンやセラミドを試すことで改善確率はあがります。
顔だけにアトピーが出る方の3つの対処法
では顔だけにアトピーが見られる方に向けて、その対処法をご紹介します。
シャンプーと洗顔法を変えるだけでも効果がある
上記の原因を知って何となく対処法も分かったという方もいるかもしれません。
シャンプーや洗顔料に含まれる界面活性剤は皮膚のバリア機能を担う皮脂を余分に洗い流してしまいます。
これが原因で乾燥を招きそこからアトピーに発展することも十分に考えられます。
また界面活性剤のほか、防腐剤や保存料、着色料など肌の刺激となる成分が含まれています。
シャンプーに含まれる界面活性剤
とまあ、これらが原因で皮膚の炎症を引き起こしている可能性があるのでシャンプーや洗顔料の使用には注意が必要です。
シャンプーは無添加表示のあるものを使用。
洗顔料にいたっては初めから使用しないことをおすすめします。なぜなら顔の汚れは水だけでも十分に洗い流すことが可能だからです。
もしも女性の方でメイクをされる方、洗顔料を使わないと違和感がある方はできるだけ刺激性の少ない洗顔料を選んでご利用ください。
化粧品は全成分を表示しなければいけないルールがあるので、お使いの製品には必ず成分が表示されているはずです。
もしも成分表示がないサイト、商品があるのならそこは信用できませんので利用を控えるべきでしょう。
紫外線対策は万全に
次に顔にダメージを負わせている紫外線について。
年々、オゾン層の破壊により紫外線の影響は強くなっています。
なので日中はできるだけ紫外線対策をすることが大切。対策として日焼け止めが考えられますが、アトピーの方は日焼け止めは厳禁。
大抵の日焼け止めには合成ポリマー、界面活性剤が含まれていますので炎症下でそれを使用すると逆効果になってしまいます。
紫外線対策は帽子、サングラス、マスクなどがよいでしょう。最近では刺激性の少ない日焼け止めも出ているようですが管理人はあまり詳しくありません。
もしも日焼け止めを使いたいのであれば安全性の高いものを選びご利用ください。シアバターやホハバオイルは天然の日焼け止め製品と言われています。
植物性のアレルギーがある方を除きそれらの天然製品は比較的肌に優しいのでそういったものを使う工夫をするとよいでしょう。
食事、運動、睡眠の見直しはアトピーの原因そのものの対処となる
アトピーの根本的治療は何なのかを考えたことはありますか?
僕が長年その治療法を考えた末、打ち出した答えが生活習慣の見直しでした。
化粧品の利用やダニ対策、温泉、ステロイド。その全ては治療法ではなく治療に基づく対処療法にすぎません。
当然対処療法では病気を根本的に治すことができませんのでそれを永遠に続けたとしても治らないのは当然のこと。
根本的治療を進めるにあたり初めて対処療法の有用性が機能するのです。だからこそ根本的治療になる生活習慣の見直しが大切なのです。
なぜそれが根本的治療になるのかはトップページの各リンクを辿れば分かります。(今回は記事の趣旨とずれるので割愛。)
とにかく!!
食事、運動、睡眠。
この3つの見直しを改善するだけでアトピーは少しずつですが確実によくなっていきます。
- 欧米食ばかりを摂っていないか
- カップラーメンなどの即席品ばかりを摂っていないか
- 毎日3食、バランスのよい食生活を心掛けているか
- 適度に運動をしているか
- 睡眠は6時間以上取っているか
以上の項目にあたはまるものが一つでもあるならそれを改善させるべきです。
アトピーは生活習慣病の一つとも言われています。今一度、ご自身の生活習慣が乱れていないかを確認し、改善に努めていただければと思います。
上記の対策+皮膚常在菌バランスを整える化粧品を使うと改善速度が上がる
以上、顔だけにできるアトピーの対処法でした。
顔だけだとは言っても辛いのは重々承知しています。
人と顔を合わせる度に、毎日真っ赤に晴れ上がった顔を鏡で見る度に、かゆみと痛みで笑うことすら出来ないことを痛感する度に、自分の顔が大っ嫌いになります。
少なくとも僕はそうでした。
ただその悩みが解消すればどれだけ気が楽になるでしょうか?もしかしたら心から笑うことができるようになるかもしれませんね。
しっかりと前を向いて明るく過ごしたい、心から笑いたい、それを強く願うのであればご紹介した対処法をお試しください。少しは良くなると思います。
その対処とともにセラミドやワセリンを使うことで皮膚のバリア機能を補填することができれば改善スピードを向上させることができるはずです。
まあそういった化粧品はあくまで補填の役割しかありません。バリア機能の補填にはなりますがバリア機能そのものが回復されるわけではないのです。
だから完治させたいのであればバリア機能を高めるために何ができるのかを考え行動すること。
くれぐれも化粧品でアトピーを治すという考えは持たないでください。
ただ自身の身体機能をサポートするものは積極的に使ったほうが良いと僕は思っています。補填ではなく補助として。
以下で紹介する化粧品はそういった考えで作られていて管理人も使って効果を実感できた数少ない化粧品です。
ワセリンやセラミドとは目的が違いますのでそれらで改善されなかったという方は一度試してみると良いでしょう。