生まれつきアトピーを患っている管理人。
正直生まれてきて幸せだと思ったことなんて一度もありません。本当は楽しいことをやっているはずなのに、何をするにしても自分の肌から流れる血を見て、ふと辛い現実に引き戻されます。
そんなこんなで20年以上の時が過ぎ去りました。
今回ご紹介するのは、赤ちゃんのアトピー予防について。
アトピーになる前の対策となった後の対策。
言うまでもなく後者の方が圧倒的に辛いです。親の立場としても、お子さん自身にしても辛い思いをします。そう、生きていくのが嫌になるほどに・・
そんな思いをする前に手を打っておくことを強くおすすめします。
やはり「何でこんな体で生んだの?」と咎められるより、「生んでくれてありがとう」と言われたいですからね。
今回は予防ということで少々長い記事になります。僕としてもこれ以上アトピーの子を増やしたくありませんので是非最後まで読んでいただければと思います。
アトピー予防で絶対にやってはいけないこと
まず初めにこれだけは守っていただきたいことを言います。
これは予防にしても治療にしても言えることなのですが、他人や道具任せにしないことです。
例えば皮膚科医が言っていることは必ずしも正しいことばかりではないし、どんなに優れた薬があったとしてもそれだけで解決しようとするのは厳禁です。
アトピーという病気は免疫異常から発症する病気ですので薬で治ることはありません。
現状では明確な治療法は存在せず、やむを得ず薬で症状を抑えるといった方針を医学界は採用しています。
病院に行くと「薬を塗っていれば治る」と出まかせを言う医者もいますが、絶対に薬では治りません。治ったというのであればそれは薬の効果ではなく自身の免疫力が正常化したと判断するのが正しいです。
さて、この事実を知ると一体どうしていいのか分からないという状況になり、怪しい民間療法に手を出す方もいます。
ご想像の通り、何の根拠もない民間療法でアトピーは治りません。
予防する(治す)のはあくまで自分自身。
このように他人の言動や道具ばかりに頼りっきりですと治療の方針が崩れ、どんどん治らない病気となってしまいます。
道具を使うにしても、自身の免疫力向上を軸にしなければいけません。もしもアトピーを発症してしまった場合は上記のことを忘れないようにしてください。
予防のポイントは内因性と外因性の双方の対策をすること
そもそもアトピーの原因は何なのか?
上記では免疫異常がその原因と言いましたがその要因はどこにあるのでしょう?
例を挙げるとキリがありませんが、ほこりやダニ、ストレス、洗剤・・
これらが複雑に絡み合って免疫力が乱れ、免疫異常を引き起こします。
赤ちゃんの場合は皮膚も薄いですし、免疫力の要と言われる大腸の働きも不十分な状態です。なので、ちょっとした要因の影響を受けやすくアトピーの発症率も相対的に上がってしまうわけです。
正直要因と言われるものすべてを対処してもきりがありませんし不可能に近いので、影響力の強い要因の対策をすることが予防法になります。
そして見るべきポイントは2つ。
要因と一口に言っても内因性と外因性が存在し、食べ物やストレスなど肌に直接関わらないものは内因性。ダニや洗剤など肌に関わるものは外因性の要因とわけることができます。
そしてそれぞれ、影響力の強い要因の対策をすることでアトピーの発症率をぐっと下げることができます。
乳酸菌の摂取は赤ちゃんのアトピーの予防になりうるのか?
まずは内因性の要因対策について。
一般的に大人のアトピーはダニやほこりなどの外因性のものではなく、ストレスや食生活などと言った内因性のものの影響で発症すると言われています。
赤ちゃんの場合はどちらかと言えば外因性の影響を受けやすいのでそちらの対策に労力をかければ発症率を下げることが可能です。
ただし食生活においては内容によっては免疫力の向上、正常化を図ることができるので疎かにして良いわけではありません。
成長するにしたがって免疫力は向上するものですが、それを補助する食べ物を取り入れることでアトピーの発症率低下につなげることできると思っています。
実際に乳酸菌の摂取で発症率を低下させることに成功したという統計結果もあります。腸内フローラが完全に形成されていない時期だからこそ乳酸菌の摂取は期待できるというわけです。
何せ免疫力は腸内細菌バランスが決定づけていると言っても過言ではありませんからね。
細かな説明、考察については過去記事があるのでそちらをご覧ください↓
ただし、乳酸菌と一口に言ってもその種類は様々。人によって合う合わないもあるので試すかどうかは完全に自己判断となります。
また、体に悪いものを与えないことも重要な対策となります。砂糖や化学物質、これらは免疫力を低下させますので極力省いてあげることが発症率の低下につながります。粉ミルクとかあんま体によくない油使ってるし・・
アレルギー表示食品は控えたほうが良い
アトピーととても関わりの深いアレルギーですが、アレルギーを誘発させる食品を取らないようにすることでアトピーの発症率も少なからず低下させることができます。
アトピーもアレルギーも仕組みは似たようなものです。
以下の図の食品は年齢別でアレルギーになりやすいものですので参考にすると良いでしょう。
引用:https://www.miraizaidan.or.jp/allergy/cause.html
幼少期は免疫の要である胃腸が未発達です。上記の食品は消化しづらいものが多いため、未消化たんぱく質になりやすいです。
文字通り未消化たんぱく質とはタンパク質が消化されなかった物質のことを言います。本来ならタンパク質が分解されるとアミノ酸になり栄養素として必要な個所に運ばれます。
未消化ですとそれが全身に運ばれる事態となり、免疫はそれを異物と判断。風邪にかかるとウイルスを排除しようと熱や咳が出るのと同じで、未消化たんぱく質という異物を排除する働きがアレルギーやアトピーの症状として現れます。
なのでアレルギーになりやすい食品はできるだけ控えること。
同様に、砂糖、リノール酸を含む油、牛肉などは胃腸に大きな負担をかけますのでできる範囲で控えたほうが良いでしょう。
赤ちゃんの肌はとってもデリケート、肌に触れるものは低刺激を選ぼう
続いて外因性の要因対策です。
内因性の要因は突き詰めると新しい発見がありますが、その分複雑で対策も難しいです。良かれと思ってやっていたことが実は免疫を大きく下げることにつながっていたというケースも割とあります。
その反対に外因性の要因対策は割とシンプル。
細かい部分に注意すれば決して難しいことではないですし、確実です。
では具体的にどんな対策が必要になってくるのかを解説していきます。
アトピー性皮膚炎は肌のバリア機能が低下することで発症する可能性が高まってしまいます。イメージはこんな感じ↓
なので、肌の保湿を行ってバリア機能を高めるとともに、可能な限り赤ちゃんの肌をあらゆる刺激から守ることが予防には大切です。
特に肌に直接触れるものは、慎重に選ぶことが大切。具体的には、以下の事に気を付けましょう。
- 赤ちゃんの下着や衣類は肌に優しい綿100%を選ぶ
- 寝具やタオルも綿100%がお勧め
- 赤ちゃんの沐浴はボディソープではなく刺激の少ない石鹸を使う
- 赤ちゃんを抱っこする自分の服装にも気を付けて、飾りやボタンが少ないシンプルな綿100%の服を着るように心がける
赤ちゃんが身につけるもの、触れるものには細心の注意を払ってください。
汚れの放置は痒みの原因!清潔を保とう
生まれたばかりの赤ちゃんは外に出る機会が少ないですが、ヨダレや自分の汗などで案外肌は汚れているものです。
また、這いずりが始まり自分で移動するようになると、家の中を毎日奇麗に掃除していても、いつのまにか肌の皺に埃が溜まっているというのは良くあること。
このような肌の汚れは、ほんの少しでも痒みの原因になります。痒みが出ているということは、既に肌はダメージを受けているということ。
赤ちゃんは痒みを感じると必ず掻いてしまうので、それが更なる刺激となって湿疹になってしまい、アトピー発症に繋がります。
そうならない為にも、赤ちゃんの肌を清潔に保つことが大切です。
その為に気を付けなければならないのは、以下の5つ。
- 毎日の沐浴で、汚れの溜まりやすい場所を手で優しく丁寧に洗う
- 沐浴は石鹸で洗うことも重要だけど、それ以上に洗い残しがないようにしつこいくらいに洗い流すことが大切
- 赤ちゃんの顔は特にデリケートなので、授乳後は濡れたガーゼで優しく汚れを拭き取る
- ヨダレが顔に着いたら放置せずこまめに拭く
- たくさん汗をかいたり汚れたりしたら、そのままにせずシャワーで洗い流す
特に赤ちゃんは首、肘の裏、膝の裏、足の付け根、手足の皺に汗や汚れが溜まりやすい箇所。
見えづらく洗いにくい場所でもあり、気が付いたら赤くジュクジュクしてしまっている、なんてことにもなりかねないので、そうならないように、毎日清潔を保ってあげましょう。
洗いすぎは良くないと聞いたことがあるけど・・
以下は補足のお話し。過去の論文で発表されたこともあるのですが、洗いすぎはかえってバリア機能を低下させてしまう恐れがあります。
なので目安としては週2、3回の入浴が好ましいと言われています。
洗うときはしっかり洗う、ただ洗いすぎても皮膚に負担がかかるので最新の注意を払うこと。汗をたくさんかいていたら入浴させ、そうでない場合は控える。
このようにメリハリをつけて、実践していただければと思います。
気を付けていただきたいのが、髪や肌の汚れを落とす洗剤の使用です。
本来なら水洗いで十分汚れを落とすことができますが、デリケートな肌ゆえに皮膚の常在菌バランスも不安定になりがち。
*皮膚常在菌はバランスを整えることはアトピー予防のキーポイントになるので覚えておいてください。
洗剤を使用する場合は低刺激、無香料、無添加のものを使用してください。またスポンジや専用タオルは皮膚に負担をかけるので、それらは使用せず、手で洗うようにしましょう。
赤ちゃんのアトピーを予防するために最も重要なのは肌の保湿!
上記では肌の刺激になることを避けるのがメインの内容でした。
できるだけ皮膚への負担を少なくすることで、バリア機能が整っていきます。
ただアトピー要因を持ったお子さんはこれだけでは不十分。
上述した通り、赤ちゃんの肌は薄く、皮脂の分泌が不十分なうえに、アトピー素因を持つお子さんはバリア機能を整えるうえで重要なフィラグリンという物質が少ないことが分かっています。
豆知識ですが皮膚の厚みは、皮膚のバリア機能と比例しています。皮膚の厚みが薄いということは、肌のバリア機能が弱くとても乾燥しやすい状態であると言えます。
そのため、空気が乾燥していたり、肌に刺激を受けたりすると、カサカサになったり痒みが出たりして、そのまま放置すると湿疹へと発展してしまいます。
そうならないために必要なのが、肌の保湿。
肌を保湿することで、足りない水分を補い、肌のバリア機能を高めることがアトピー予防につながるのです。
これを証明した研究結果があります。
2014年国立育成医療研究センターが親がアトピー歴を持っている赤ちゃんを、毎日保湿するグループと、特に肌ケアを行わないグループに分けて経過観察。生後8ヶ月のアトピー発症率は、保湿したグループの方が3割低いということが分かった。
アトピーを予防するためには、日頃から肌のバリア機能を高めることが重要。
その最も効果的な方法が肌の保湿だというわけです。
赤ちゃんに保湿剤ってリスクがあるのでは?
以前、管理人は赤ちゃんに保湿剤を塗るのはいかがなものなのかと疑問に思っていました。実を言うと現在でもその疑問は払拭されていません。
保湿剤に含まれる原材料が、アレルゲンになる恐れがあり、そうなってしまうと元も子もないなと感じたからです。保湿剤には乳化剤や保存料、香料など、色々刺激になる物質が入ってるし・・
それに、何も塗らないほうがゆくゆくは、皮膚のバリア機能が高まるという情報もあります。
道具に頼ると文字通り、体はそれに頼ってしまうので自身の機能を高めるまでもないと判断してしまいます。
RPGで言うと、主人公のレベル上げを怠って防具や武器だけ強化しているのと同じ。これではいつか現れる強大な敵と遭遇したときに勝つことができません。
ただアトピー患者はもともと個体値が低く、スライムにすらまともに勝てない貧弱ものです。
だから一時的に道具を利用するのはあり。利用するのであればしっかり自身の体内機能(免疫力)を整えてあげることも並行して行う必要があります。
以前は危険な防腐剤が入ったものが流通しており、使うべきではないと思っていたのですが、最近はそれらが入っていない無添加の商品も多く輩出されましたので比較的安全に使うことができます。
確かに何もせずバリア機能が破壊された状態でアレルゲンの脅威にさらされるよりは保湿剤で防御したほうが確かに有効なのかもしれませんね。
デメリットはありますが、それを上回るメリットがそこにあるのだと思うようになりました。
まとめ
というわけで、使用するのであれば無添加なものを。
あれこれ対策するのは大変ですが、可能な限りの対策をしてあげてください。今全力を注ぐことで発症を防ぐことができればお子さんに感謝されますしこれからの労力を減らすことができます。
僕はアトピーになって生まれてこなければ良かったと思う時があります。
それほど辛いものなので後悔のないようにしていただければと思います。